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2007年11月25日 (日)

原爆症認定:国の見直し作業

リンク: 原爆症認定:訴訟6連敗の国の見直し作業、原告らは反発 - 毎日jp(毎日新聞).

以前から追いかけているネタ。毎日新聞の記事、いつもながら、すっごい充実してます。

原爆症認定集団訴訟の6連敗を受けて始まった国の認定基準見直し作業に、被爆者が反発を強めている。厚生労働省が設けた検討会は被爆者の要望とかけ離れた議論が進み、原告全員の救済はされない小幅な見直しになる可能性が高いからだ。舛添要一厚労相が明言した年内の取りまとめも与党との調整などで実現が微妙で、「解決が見えない」といらだちの声が上がっている。【清水健二】

 「今度こそ、被爆者行政を根本的に正したい」。24日のJR新宿駅前、全国原告団長の山本英典さん(74)はかじかむ手でマイクを握り、早期解決の署名を呼び掛けた。山本さんは、これまでの厚労省の検討会を傍聴し「数字ばっかり。被爆者の姿が見えてこない」と嘆く。

 原爆放射線の実態や健康への影響は、データが少なく不明な点も多い。このため被爆者側は「科学的な解明には限界がある」として、がんや肝硬変など一定の病気なら無条件で原爆症と認める制度改革を訴えている。

 しかし検討会は、10月の会合で、今後の論点を▽被ばく線量▽急性症状▽放射線起因性--とまとめ、議論は放射線を巡る専門家同士の意見交換に終始している。弁護団の一人は「科学者以外が委員に入っている意味がない」と苦笑する。

 山本さんは12歳の時、長崎市の爆心地から4・2キロ離れた自宅裏庭で被爆し、3日後には爆心地付近を歩いて惨状を目撃した。現行では、2キロ以上離れた場所での被爆者が原爆症に認定されることは、ほとんどない。しかし山本さんは95年に原因不明の大量下血をし、01年には胃がんが見つかった。同じ症状の被爆者もおり「原爆と無関係とは思えない」という。

 国は集団訴訟が起きる前も、原爆症訴訟で敗訴を重ね、そのつど基準見直しを検討した。だが01年に導入された新基準は救済の門戸をさらに狭める結果になり、05年に肝障害の男性の勝訴が確定した後は、厚労省研究班が「肝炎発症に放射線の影響はない」と司法判断と逆の結論を出して基準が維持された。

 現在の検討会も、残留放射能の考慮などを求める意見はあるものの、被ばく線量を計算して個別審査する現行制度の基本を変える議論にはなっていない。「また裏切られるのか。厚労省に解決を期待しても無駄だ」と山本さんは憤る。

 一方、安倍晋三・前首相が8月に被爆者団体と面談し、認定基準の見直しの検討を表明したことを受け、与党の被爆者対策プロジェクトチーム(PT)が発足。PTは爆心地からの距離と疾病名だけで認定するという被爆者案に近い形の検討を進めている。

 座長の河村建夫元文科相は「裁判で負けるような小さな見直しでは無意味」と話しており、厚労省とのギャップは大きい。予算措置を含めた政府・与党案が年内にまとまらない可能性も高く、厚労省内から「訴訟の解決は当分先になる」との声も漏れている。

 【ことば】原爆症 「原爆症」という病気があるわけではなく、被爆者援護法に基づき国が「原爆放射線に起因し、治療が必要」と認定した疾病全般を指す。被爆者から申請があると、厚労省の被爆者医療分科会が主に爆心地からの距離を基に被ばく線量を推定し、そこから病気が放射能に起因する可能性を割り出して認定の可否を決める。3月現在で被爆者は約25万人いるが、原爆症と認定され月約14万円の医療特別手当を受けているのは約2200人にとどまる。

毎日新聞 2007年11月24日 21時24分 (最終更新時間 11月24日 21時47分)

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