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2008年5月 1日 (木)

ボランティア学会参加報告

去年(2007年)開催分。参加したのは「学びの反転」というテーマの分科会。メモ書きからのまとめ。別のblogで出すつもりだったが時期を逸したのでこちらにプール。

2名の登壇者。とよなか国際交流センターから榎井縁さん。
のびやかスペースあーちから津田英二さん。
司会者は、今回のテーマ「学びの場を反転する」に関する実践者であると紹介する。

両センターのサービス内容キーワードは、
「とよなか」は文字通り国際交流。「あーち」は子育て、共生。
これらは特にめずらしいキーワードではない。
実践者の姿勢として、軸足をどこに置くかというところが
「学びの場を反転する」かどうかに大きく関わるのだという主張。
しかし、それは一般的に表には見えにくい。

たとえば、とよなか国際交流センターでは
「とよなかESD」を推進し「周辺化する外国人の総合的仕組み作り」
を目指しているそうだが、よくよく考えると、
主語が日本人になってしまっていたと榎井さんは告白する。
つまり「日本人が日本人のために」という一文が
「周辺化する云々」に付きまとうわけだ。
それは仕方ないんじゃないのと思わないでもない。
しかし、これを問題と捉える場が学問という場なのだろう。

のびやかスペースあーちについては、
私自身が設立の経緯をよく知っているので、
一の発言で十ぐらいわかってしまうということがあった。
津田さんによる今回の実践報告は、毎金曜に行われている
「居場所作り」に関するものが大部分であったので、
「あーち」の全体像を報告するものではなかったと思われる。

とりあえず、津田さんの目指すところは「インクルージョン」。
大雑把な意味は、人を特定の属性で分けず包括するということ。
これは「インテグレーション」とは異なる概念だと説明される。
まぁ現象(見え方)は同じかもしれない(というのはワタシの意見)

一方で、利用者への呼びかけ方が
「誰でも来てください」から「あなたにこそ来てほしい」に
変わっていったのだと説明される。
この変容が何故起きたのかということが
当日の参加者、聴衆に理解できたのかどうか。
津田さんは『「誰でも来てください」ではやっぱり来なかった』と説明したが精密な信頼に足る実験工程があったかどうかの検証はなかったのでは。

登壇者2名の事例説明の後、かなり多くの質問タイムが設けられた。
「質問ありませんか」とふっても出ないのが通例なのか、
強制的にマイクが回された。めずらしいスタイルだと思う。
「学びの反転」の場たるべきと構成されていたのかもしれない。
会場からの質問に答える形で、多くの先駆的事例が示された。

たとえば、浜松の「いっぽ」。鶴橋の「こさり」、国立の「くじら雲」
これらは障害をもつ人々が地域の人々に支えられ暮らしている事例。
「行政ダメ、学校ダメから始まるのではなく、
この子を何とかできないのかと地域が動いて...」始まったということ。
そこでは、一方的に支援する側-支援される側という主客を壊し
固定しない関係ができている。交わる場の創成が自然にできている。

しかし一方で、専門家が対応しなければならないケースがある。
この場合、主客を壊せるのかといった点は不問。
おそらくここが一番聞きたかった点だが...

ワタシが問いたかったいのは、
専門家が専門家のままで「客」になることはあるのかということ。
もちろん長らく一人の非専門家に関わる場合に
一瞬、そうなることがあるのかもしれない。
たとえば、識字教室の事例が話された。
ボランティアで参加していた話者は、字を書くオモニの
筆圧の力強さに圧倒され、大きなエネルギーをもらったという。
また、何故施設に入れず地域で...と思うのか、
その分かれ道は支援を受ける側のパワーなのだという。
しかし、しかし、しかし...

ワタシの結論としては、
専門家が専門家のままで「客」になることはないというもの。
ただ、専門家も、ある側面では非専門家であるということは
厳然たる事実として言えると思う。

ちなみに、支援される側が「客」であるというのは
ボランティアという現場であるからこその悩み。
市場では、支援される側は「客」と呼ばれはするが
完全な「主」であることは当然。
もちろんここには「お金」が介入する。

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